モータースポーツの聖地・もてぎと益子陶器・古道具ハンティングの旅

モータースポーツの聖地として知られる茂木町。町名を冠した「モビリティリゾートもてぎ」は、自動車メーカーが運営するサーキットとして誕生。国際レースも開催される本格的なコースに加え、家族で楽しめる体験型アクティビティも楽しめるとあり、多くの人が訪れる。一方で、益子町は、焼き物の窯元が並び、古道具や家具を販売するギャラリーショップやカフェも多い。多面的な表情をもつ、ふたつの町を旅する。
里山とサーキットが描くもてぎの景色
道の駅「もてぎ」や「モビリティリゾートもてぎ」に隣接する「フェアフィールド・バイ・マリオット・栃木もてぎ」。家族旅行やドライブ旅の拠点として最適だ。
08:00 東京駅
10:00 城山公園
11:10 ひやま肉屋
11:30 源太楼
12:15 森のキッチン どんぐり
13:45 モビリティリゾートもてぎ
17:00 フェアフィールド・バイ・マリオット・栃木もてぎ
Day1 総移動距離 155.06km
Day1 合計移動時間 約3 時間
時速300kmにもなるスピードで早さを競うオートレース。その開催地のひとつとして世界中からレーサーが集まるのが「モビリティリゾートもてぎ」だ。ここでは全長4.8kmのコースを間近で見られるだけでなく、家族で楽しめる施設も豊富に揃っている。周辺にはレース会場とは真逆のイメージとも言える里山の景色が広がり、ローカルなスポットも多い。茂木町が描く、2つの表情を楽しむ1日。
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約2時間
東京を離れ、里山文化が息づき、新たな営みも芽吹くもてぎエリアへ向かう。
もてぎの景色を見渡す最初の一歩「城山公園」
旅の始まりの目的地は「城山公園」。茂木町の中心部を見下ろす高台に整備された公園で、かつての茂木城跡を活かした、歴史と景観が重なる場所だ。園内には本丸や堀の痕跡が残り、往時の面影を感じながら歩くことができる。
高台から町を一望でき、その輪郭を自然と捉えられる点でも、旅の最初に訪れることができてよかった。長いドライブで固まっていた身体も、歩を進めるうちにほぐれていった。
その場で味わう、揚げたての旨み「里山のお肉屋さん ひやま」
町に根づく小さな食の拠点
城山公園の高台を降りてすぐの場所にある、「里山のお肉屋さん ひやま」に立ち寄った。店内には揚げたての香ばしい匂いが漂う。どれも魅力的だったが、食べ歩きにちょうどよさそうな「メンチカツ」と「コロッケ」を注文。すぐに食べたいと店主に伝えると、容器に盛りつけてもらい、その場でソースをかけ、サラダまで添えてくれた。
できたてのメンチカツとコロッケは、肉屋ならではの満足感で、具がぎっしりと詰まり、噛むほどに旨みが広がる。店内にはイートインスペースも設けられており、その場で味わうこともできる。さらに、肉だけでなく個人農園の有機野菜なども並び、食材が行き交うこの場所は、町の小さな拠点のような役割も担っているように感じられた。
城下町に広がる甘味「源太楼」
150年作り続けられた「源太饅頭」
「里山のお肉屋さん ひやま」からほど近い場所にある、和菓子店「源太楼」にも立ち寄った。創業は1881年(明治14年)。もてぎに根付く老舗である。名物の「源太饅頭」は、初代・石﨑源太郎がこの地で和菓子店「石田屋」を開いたことに始まる。「源太さんの饅頭はおいしい」と評判が広まり、いつしかその呼び名がそのまま名となり、屋号も「源太楼」へと改められたという。
城下町に人づてで噂が広がっていった情景を思い浮かべると、どこか微笑ましい。そんな評判に引き寄せられるように、土産を求めて立ち寄り、ひとつはその場でいただいた。毎日、朝から仕込まれる源太饅頭は、手に取るとまだわずかに温もりを残している。やわらかな甘さが口の中に広がる。このやさしい味わいは150年近くこの町で作り続けられてきた時間そのものなのかもしれない。
約15分
城下町の面影を残す市街地を離れ、東へ、逆川に沿うように車を走らせる。
森にひらけたぬくもりの食卓「森のキッチン どんぐり」
やさしく広がる「もてぎ名物ゆず塩らーめん」
茂木町を代表する観光地、モータースポーツと自然体験が融合した複合リゾート施設「モビリティリゾートもてぎ」に到着した。ピットを思わせる入場ゲートをくぐると、そのまま自家用車で広大な敷地内を巡ることができる。
まだ昼食をとっていなかったため、まず向かったのは「森のキッチン どんぐり」。森の中に佇むような店内は、木のぬくもりに満ち、丸太の椅子や木製の車のおもちゃが飾られている。どこか愛らしい空間で、テーブルの高さもやや低く、子どもにも配慮されたつくりであることがうかがえた。
かわいらしいメニューボードを眺めながら選んだのは、「もてぎ名物 ゆず塩らーめん」。もてぎの特産である柚子を使った一杯だ。やさしい塩味に、柚子の爽やかな酸味と香りが重なり、するりと箸が進む。気づけば、あっという間に食べ終えていた。
名車に囲まれる時間「モビリティリゾートもてぎ」
Hondaの熱き技術と挑戦が残した軌跡
「モビリティリゾートもてぎ」内で気になっていた「ホンダコレクションホール」へ向かった。自動車メーカー・Hondaの歴史と技術の歩みを体感できるミュージアムである。館内には、クルマやバイクを中心に、創業期から現代に至るまでの実車が数多く展示されている。世界のレースで活躍したマシンや、市販車として時代を彩ってきた名車など、約160台におよぶコレクションが並び、そのスケールに圧倒される。
さらに、創業者・本田宗一郎のものづくりへの想いや挑戦の軌跡も紹介されており、技術革新の背景にあるストーリーにも自然と引き込まれていく。エンジンの進化やデザインの変遷をたどることで、自動車やバイク文化がどのように広がってきたのかを立体的に感じられる構成だ。乗り物が好きな人はもちろん、ものづくりの背景に興味がある人にとっても、深く印象に残る場所だ。
もてぎで迎える一日の終わり「フェアフィールド・バイ・マリオット・栃木もてぎ」
ロビーで味わう栃木の恵み
茂木町の市街地へ戻り「フェアフィールド・バイ・マリオット・栃木もてぎ」にチェックイン。ホテルスタッフと旅の道中を話していると、「モビリティリゾートもてぎ」を訪れる宿泊客も多いのだそうだ。選手でもない自分だが、その話を聞いていると、どこか同じ舞台に立つような気分になり、不思議と誇らしさがこみ上げてきた。
ロビーのマーケットプレイスを眺めていると、茂木町で造られているワイン「ateus」と、矢板市に工場を構える「チーズファクトリー」のカマンベール入りチーズを見つけ、思わず手に取る。どちらも栃木の風土が感じられる品だ。それらを片手にロビーラウンジへ移り、明日訪れる益子にまつわる器や書籍を眺めながら、ゆるやかな時間を過ごした。